マチルダを見た

先週マチルダのミュージカル見てきたんだけど、自分的にまったく刺さらなくて全然良いと思えなくて、それが結構ショックだったので今更自分の気持ちを整理します。

 

見に行った理由は昔から原作が大好きで海外でミュージカルになってるのも知ってて、それがいよいよ日本初演!!!ヤッター!!!!ってなったから。
初報出たときからめちゃくちゃ楽しみにしてたし、キャスト発表されたらゆうみちゃん(咲妃みゆ。ゆうみちゃんのお芝居と歌声がめちゃめちゃ好きなので)がいたし、その他もプリンが結構手堅い実力者揃いでこれはホリプロめっちゃ気合入ってるんじゃない?ってほんとに期待値上がってたんですよ。まあ実際気合は入ってたんだけど……

とりあえずめちゃくちゃ簡単にあらすじを言うと、天才少女のマチルダ毒親と毒校長(?)をとっちめて、最後は自分を理解してくれる優しい女性教師と一緒に幸せに暮らせることになりましたみたいな感じ。その大筋は原作通りなんだけど、マチルダがやたらと親や校長の行いに対して「正しくない!」って主張するキャラクターで、一番メインというか主題的なナンバーの歌詞も「何もしなきゃそれでいいと言ってるのと同じ、それは正しくない、正しくないなら正しくしなきゃ」って感じで、とにかく「正しさ」に重きを置いた作品になってた。
でもさ、原作のマチルダって全然品行方正な少女として描かれてはいないと思う……。頭はめっちゃいいけどその頭の良さを使って両親に割と陰湿な嫌がらせ(父親の帽子の中に接着剤塗りたくるとか、シャンプーに脱色剤混ぜるとか)してるわけでさ……。親はほんとにクズ人間だから仕返しされて当然だしそれが面白い部分なわけだけど、マチルダのしてることは「正しい」行いではなくない?
あともう前後がどういう場面だったのか忘れちゃったけど、校長が子供たちに酷い目に遭わされて出て行ったあとミス・ハニー(女性教師)が「おもしろかったわね~」って言うのもモヤモヤした。そのセリフがここ笑いどころですよ!ってポイントでもあるんだけど、「正しさ」を説きたいならそこで笑いものにしちゃダメ…じゃない…?いや悪者だったら笑ってもいいのか??倫欠だから「正しい」ってなんなんだ……??って考え込んでしまったね。

ロアルド・ダールの作品ってクソみたいな大人が報復されて痛い目を見るっていう広義のさるかに合戦みたいな話(?)ばっかだけど、そこに啓蒙的な意図を感じたことが全くなかったからなんか……そうか………(?)みたいな気持ちになった。ダールって単に人が不幸になってるのを見て指さして笑うのが好きなんだと思ってたから(失礼すぎるだろ)
というかダールの書くクソみたいな大人ってリアリティないし、キャラクター性がもはやファンタジーだから現実世界とリンクさせて考えたことがなかったんだよなー。こんな人間現実には絶対いないし、だからこそ仕返しされてギャーギャー喚いてるのが面白いよねみたいなさ。わたしの感じ方が間違ってたんだとしたらそれまでだけど…

 

そういう感じでわたしが求めてたものではなかったというか、わたしが小さい頃からこういう作品と思ってたものの舞台化ではなかったな……という話でした。
上で言ったのとはまた別件で、原作にはなかったオリジナルエピソードも個人的にはしっくりこなかったかな……。でもそういう設定にすると舞台映えもするしストーリーとしてドラマチックになるよねっていうのもわかるからまあ否定はしないけど…。
というか全体的にnot for meだっただけで舞台としてはクオリティが高かったな~と素直に思う。ほんと上手い人ばっかだし舞台セットも衣装も演出も凝ってて目に楽しかった。ただ楽曲が全然刺さらなかったのでそこもわたし的にはダメだったんだな…

 

ていうか(以下チャリチョコ映画の悪口になるので好きな方はお気を付けください)
チャーリーとチョコレート工場の映画もさ、原作に存在しないウォンカの過去を付け足されてウォンカがこういう人間になったのはこんな悲しいトラウマがあったからなんです!みたいにされたのマジで解釈違いすぎて怒り狂ったな……絶対ダールってただキチガイを書くのが好きなだけじゃない?知らんけど。じゃなかったらあんなにキチガイが出てくる話ばっか書けんやろ。少なくともウォンカに悲しい過去があって…みたいなのは絶対考えてないね!!!このカシオミニを賭けてもいい!!!
そもそもさ、映画になる前わたしが読んでて大好きだった邦訳のタイトルは「チョコレート工場の秘密」だったからチャーリーとチョコレート工場ってタイトルも嫌いだし(でもそう呼ばないともう伝わらないからチャリチョコって呼んでるけど)、ウォンカじゃなくてワンカだと思ってるし、映画化に合わせて新訳版が出たと思ったら翻訳がクソすぎた上に翻訳者がなぜか自信満々であとがきで旧訳版をこき下ろしてたのもありえなかったし、新訳版が出たせいで旧訳が絶版になったのもめちゃくちゃ恨んでるし、18年経った今でもわたしは定期的に新訳版のAmazonの★1レビュー見に行って新訳アンチに共感してるからね。不毛すぎ。一応共有しておくね(いらん)
https://www.amazon.co.jp/product-reviews/4566014118/ref=acr_dp_hist_1?ie=UTF8&filterByStar=one_star&reviewerType=all_reviews#reviews-filter-bar
今度チャリチョコも東宝でミュージカルやるけどこれは原作じゃなくて映画の舞台化だよねー。海外では評判いまいちだったっぽいけどそうすると逆にわたしには刺さる可能性もあんのかな(あるか?)

 

あと全然関係ないんだけど、ゆうみちゃんってでかい舞台バンバン出てて今や大人気ミュージカル女優なのにまだ宝塚時代のFCの代表さんがチケット取り次いでて、マチルダでも宝塚と同じようにチケ出ししてて(※代表が毎日その日の分の全チケットを持って劇場に立っててオタクが取りに行く)まだそれやってんの!?!?ってびっくりした……大変だな~~(代表もオタクも)